高級内装設計・施工の伝統 ~若い人材がやりがいを持って働く会社~

株式会社愛木工業 代表取締役社長 北嶋 仁 氏

 

高級内装設計・施工の伝統
~若い人材がやりがいを持って働く会社~
今回は昭和13年創業、株式会社愛木工業の4代目社長、北嶋さんにお話を伺いました。
太田:創業当時のお話を伺ってもよろしいでしょうか。
北嶋:昭和13年に中村椅子製作所として私の祖父の義兄が創業いたしました。
そこから私の祖父が引き継ぎ、その後父が継承して、平成20年に私が社長に就任しました。
元々は特注椅子の製作をおこなっていたのですが、祖父が継いだタイミングで、
特注家具を取り扱いはじめ、今では店舗内装の設計から施工までワンストップでおこなっています。
太田:数々のブランドショップやレストランの内装を手掛けておられますよね。

 

北嶋:うちは昔からいわゆる量販ではなく、ハンドメイドで高い技術を必要とするものの製作に絞って事業をおこなってきました。
高い技術力が評価されている歴史もあり、今でもブランドショップやレストラン、そして科学館などの文化空間を手掛けることが多

北海道のいわゆるスーパーブランドの店舗は大体弊社が手掛けていますね。いです。
太田:すごいですね。高い技術力が必要となると職人さんの育成は大変ではないですか?
北嶋:もちろんその通りですね。高い技術力が売りであり歴史である以上、その歴史を守るためにも職人の育成はとても大切です。特にうちは30人いる従業員のなかで職人の半分以上は20代~30代です。
技術力の教育に関しては工場長に任せていますが、特に身だしなみや挨拶といったところの指導は意識的に心がけています。どれだけ腕が立っても礼儀がなくてはいけない。ものづくりはひとづくりであり、人として立派でなければならない。そういった部分は非常に大切にしています。
また、うちは意識的に従業員に「責任を持たせる」ようにしています。内装設計・施工において、どこからどこまでを担当者が手掛けるというのではなく、解体から積み出し・発注・設計施工などすべてを担当者に一任しています。その理由は、それがこの仕事の醍醐味だからです。
私も20代の頃にこの業界で働いていたとき、一人で何千万円もの大金を動かす感覚にとてもやりがいを感じていました。内装は1カ月~2カ月の短期間で終わりのある仕事ですが、終わったときにお客様に喜んでいただけたときの幸せは何ものにも変えられません。そんなやりがいを従業員にも味わってほしいからです。だからうちはいわゆる分業や流れ作業といったことは一切おこなわないようにしています。
 
とことんやりがいと責任にこだわり、高級・高品質のものづくりに専念しています。
太田:20代~30代の従業員さんが主となって働かれているのはすごいですね。
北嶋:私は礼儀はしっかり指導しますが、会社としてタイムカードなども廃止していて、働き方については自由にしています。その代わり責任も持たしています。一人ひとりが自分の仕事に責任を持って、自分の好きなように働いてくれたらいいと思っています。そうしないと仕事は楽しくないですからね。責任の大きさが、従業員がやりがいを感じて働いてくれている理由ではないでしょうか。責任を持たせないと人は成長しませんし、仕事の楽しさもわかりませんからね。
従業員は本当にめんこくて、よく働いてくれています。
太田:社長のお人柄とご指導のやり方がすばらしいからでしょうね。
本日は、貴重なお話をいただき誠にありがとうございました。
北嶋:ありがとうございました。
【編集後記】

代々受け継いできた高い技術力から、自社にしかできない物に拘ってやってきたというと

ころに感銘しました。従業員も誇りを持って仕事をしている素敵な会社です。

従業員を信頼し「弟のようにめんこい」と話す社長の表情が印象的で、憧れる社長です。

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